お悩み相談〜視覚障害の進行

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視覚障害が進行してきた

視覚障害が進行してきたときのお悩み相談をまとめました。

Q1.だんだん視力が低下してきました。これからどうしたらよいでしょうか?

A1.まずは眼科に行きましょう。網膜剥離など急性の症状では速やかな処置も必要です。また緑内障などの慢性的な疾病で、進行が遅く、なかなか日々の生活では気づけないケースもあります。定期検査での比較や精密検査を受けることも大切です。

そして処置・治療を施した結果、レンズによる矯正で視力が上げられなかったり、日常生活に不具合が生じてきたら、地方自治体の福祉課や障害者リハビリテーションセンターなどで相談してください。見ることに頼らない料理や洗濯機などの生活機器の操作方法など、日常生活に必要な技術を習得する社会的リハビリテーションから始めます。

本人はもちろん、家族・周囲のかたも生活や心境に動揺があると思いますが、地域資源や社会福祉を活かして、なるべく早めに日常生活の回復に取り組んでください。

日本眼科医会ではロービジョンケアサイトを立ち上げました。ロービジョンケアとは、視覚に障害があるため生活に何らかの支障を来している人に対するすべての支援の総称で、医療的なケアから教育的、職業的、社会的、福祉的、心理的ケアまで、広い範囲にわたる支援、情報提供を行っています。東京には東京都ロービジョンケアネットワークがあります。(ロービジョンケアサイでネットワークのある地域をご確認ください。)

Q2.パソコンスキルを身に付けたいのですが、マウスや文字が見えづらく、一般のパソコン教室ではうまく教えてもらえません。どこで教えてもらえばよいでしょうか?

A2.パソコンの画面、紙の資料やテキストが見づらいなどの理由で、一般的なパソコンスクールで学習できないケースが多くあります。
そのような場合には、就労支援施設の訓練コースや短期間で実施する講習会に参加する、またはNPO法人などの視覚障害者のためのパソコンボランティアを活用して、スキルアップに挑戦してください。
そのような場合には、そこには共に学びあえる仲間も集っているので、貴重な情報交換・事例の共有ができます。

Q3.目が悪くなるとともに業務のペースについていけなくなりました。どうしたらよいでしょうか?

A3.まずは上司に相談ください。
今、どのような症状で、職務にどのような支障があるのか、どのような心境なのか、どのような配慮が必要なのか…などをまとめて伝えられるようにします。
上司に言いづらい人もいるかと思います。
そういう場合は担当人事や産業医、社労士、場合によっては労働組合なども候補の一つとして検討してください。
行政としては、 区市町村障害者就労支援センター、地域障害者職業センター、「 しごとセンター」、 中途視覚障害者就労支援団体タートルの会、産業カウンセラーなどに就労に関する課題を相談してみてください。
事業所の理解と協力を得るには時間がかかるやもしれませんが、社会人としての棚卸や周囲からの情報提供や意見を有効活用して、更なるキャリアデザインに取り組んでみてください。

Q4.健康診断で視力や視野の障害が見つかりました。職場に報告すべきでしょうか?

A4.事業で課せられた責務と企業倫理観、家族など自身の大切にしているものなどを総合的に鑑みて判断いただくのが前提です。
その際、眼科医で現在の状況、今後の変化、就労にかかわる注意事項などの意見書、社労士と就労規定や契約書を確認し、 障害年金の申請手続き、市区町村の福祉課に 日常生活支援給付金やタクシーの障害者割引など生活上必要な支援、高齢・障害・求職者雇用支援機構や視覚障害者就労支援事業所、中途視覚障害者就労支援団などに過去の事例を問い合わせるなど、周囲で活用できる相談先を有効利用して雇用先に目の異常を申し出るか否か判断するための情報収集をします。
もちろん、就労規定や契約書に、視力などの変調について適宜こちらから報告する責務がある取り交わしの場合は別です。

Q5.視覚障害が重くなり、ラッシュ時の通勤が難しくなりました。どうしたらよいでしょうか?

A5.まずは上司に相談ください。雇用形態や人事規定を踏まえた通勤時間や勤務地の検討が可能かもしれません。もちろん職務変更や担当変更などの憂いはあります。
社労士や労働組合など、相談できる先で情報収集をしたり、中途失明者の会などで類似した苦労を乗り越えられた事例を探して、検討材料にします。
歩行訓練士とともに自宅から勤務先までのルートで電車やバス、駅などの混雑、徒歩のどこに不便や危険があるかを調べ、時間帯やルートの変更、 白杖利用による歩行の訓練をします。
なお、点字を習得すると駅などの点字案内盤を読むことができます。
様々な観点から課題解決を図ります。

Q6.視覚障害が重くなり、アフターファイブの付き合いが難しくなりました。どうしたらよいでしょうか?

A6.アフターファイブには、懇親会や送別会など「半ば業務の延長線上」であるケースと、完全プライベートのケースの2通りがあります。
自身の障害受容度合いにもよりますが、前者であれば、事情の説明なしに欠席することは、人間性を誤解されかねません。
日頃の付き合いの中でダイバーシティを理解している上司や同僚を見極めて事情を話してみます。
あなたの課題解決に近づけられる別案で「アフターファイブ」を企画してもらえるかもしれません。
または、あなた自身が無理なく、誰もが楽しめるランチの企画を提供するなど工夫の余地はあるかもしれません。